浜松で初開催された「Anyデジタルメディアサロン」の当日レポート!
前回の記事に引き続き、「Anyデジタルメディアサロン」のレポートをお届けします。
7月16日(火)に開催された1回目では、サロンの立ち上げメンバー3名が講義をしてくださいました。情報発信で気をつけていることや便利なWebツールなどを、たくさん教えてもらったのでシェアしますね!Twitterハッシュタグ「#Anyデジタルメディアサロン」でも、検索してみてください。
登壇メンバー
小池 真実 さん|Any運営スタッフ
鳥居 良光 さん|個人事業(システム開発) / 浜松つーしん 代表/ 株式会社NOKIOO 開発責任者
市川 裕康 さん|株式会社ソーシャルカンパニー代表取締役 / メディアコンサルタント
Anyのブログ運営とSNSの活用による利用者増 小池 真実 さん
小池さんは、Anyの運営管理と情報発信を担当しているスタッフさん。ブログとSNSを利用した情報発信について、コツを教えていただきました。
Anyは、ホームページ上でブログを運営していて、記事の配信にはFacebookとTwitterを活用しています。ブログの閲覧を通じてホームページにきてもらい、Anyの認知度を上げて、最終的にAnyを使ってもらうことを目指しています。ブログの執筆は、小池さんはじめ、数名のメンバーで書いているそうです。
ブログ運営のコツは、内容よりも、とにかくたくさんの記事を書くこと。小池さんの目標は、週に5本以上書くことだそうです。年間にすると約250本ですね。360本だった記事は、この2年間で1,050本にまで増えたそうです。
ブログ記事が蓄積されたことで、ワード検索からのホームページ流入が増えたそうです。例えば、「コワーキングスペース 浜松」のようなワードで検索されたとき、検索の上位にAnyのホームページが現れるようになったんです。Googleなどの検索エンジンが、Anyのブログの中から、ワードを拾っているんですね。
そのほかのブログ運営のコツも4点、教えていただきました。
1.検索されそうなキーワードをタイトルの最初に入れる
2.ブログ記事は、SNSで必ずシェアする
3.SNSでシェアするときは、投稿時間を予約する(リーチの多い時間を狙う)
4.Facebookにアップする画像は、文字なしのものを使う。(Facebookに広告判断されるのを避ける)
これらの積み重ねにより、Anyブログの1日あたり平均閲覧数は約2倍にアップ、オーガニックサーチの割合も約20%向上したそうです。小池さんからは、ブログの記事を書き溜めることと、SNSから記事を拡散していくこと。そして、キーワードを記事に入れておくことの大切さを教えていただきました。
最近、Anyでは、Youtubeチャンネルを開設したそうです。まちなかのお店やイベントを紹介する動画をアップしています。ぜひ、チャンネル登録を!
Any(エニィ)について|
浜松駅から徒歩3分の場所にある、まちなかのコワーキングスペース。時間や月単位で場所を貸りられ、電源やWi-Fiも使用可能。まちづくりや起業に関心のある人のコミュニティとしても機能している。
「浜松つーしん」の運営とメディアマーケティング戦略 鳥居 良光 さん
鳥居さんは、ほかのメディアにはマネできない地元情報を届ける「浜松つーしん」を個人で運営しています。2017年9月には649,431ページビューを記録した「浜松つーしん」の運営ポイントや、マーケティング戦略について話してくださいました。
メディアのコンセプトとして、浜松の人が気になる記事をアップすることに重点を置いているそうです。例えば、5万人を収容したアイドルグループのライブ開催に合わせて、浜松駅周辺のコインロッカー事情を配信したり。浜松のまちなかで、深夜までやっているラーメン屋さんを発信したり。毎週行われる浜松市長の定例記者会見の内容も、3行にまとめてアップしています。
「浜松つーしん」のSNSアカウント実績
・Facebook:フォロワー約13,100人(記事をリンク配信するのみ)
・Line@:登録者数約4,332人(月に2回のレター配信)
・Twitter:フォロワー:約4,681人(記事をリンク配信するのみ)
Line@については、「やっておいて損はないですよ」と一言。その理由は、「相手に届いた瞬間に、情報をひらいてもらえるから」。SNSは積極的に運用しているワケではないとのことですが、これだけの実績を出しているのはさすがです。逆に言えば、個人レベルでメディアを運用するなら、SNSはこれさえやっておけば大丈夫!と、考えてよいのかもしれませんね。
メディア運営のPDCAに必須!GoogleAnalyticsの話
自分が運営しているメディアの閲覧数はどれくらいあるのか?主に、どのデバイスで見られているのか?など、メディア運営に関わるのが閲覧実績の分析です。「浜松つーしん」のメディア分析で使っている、GoogleAnalyticsの活用方法についても教えていただきました。
GoogleAnalyticsでは、ページビュー(サイトの閲覧数)だけでなく、セッション(サイトやページへの訪問数)やユーザー(ブラウザの数)まで見ることができます。(それぞれの細かい意味は、ここでは割愛します。)
大切なのは、自分のメディアの特性を考えながら、それぞれの数字が多いか少ないかを考えること。他のメディアと比べがちな数字ですが、理屈をもって数字を見ることの方が大事です。
ユーザーの属性も年齢別と性別で見ることができます。見てほしい人に見てもらっているのか?そうでないなら何が原因なのかを考えるために、活用しましょう。
「何を発信すればいいんですか?」へのヒント、3H戦略
「何を発信すればいいんですか?」よくあるそんな質問に対する鳥居さんの回答は、「読者にとって価値あるコンテンツです。広範囲かつ戦略的に情報発信をしていく必要があります」だそうです。
メディアコンテンツを考えるときに使えるのが、3H戦略です。3H戦略とは、2014年からGoogleが提唱しているマーケティングのフレームワーク。「Hero・Hub・Help」の頭文字をとったもので、動画をマーケティング戦略に取り入れるときに方向性を示す3つの軸です。簡単にではありますが、順を追って説明します。
まず、顧客(メディアでいう読者)は、大きく3つの属性に分けられます。
潜在顧客
見込み顧客
既存顧客
それぞれに、
潜在顧客:ブランドを強く認知させる必要がある
見込み顧客:実際のユーザーの生活に対応する必要がある
既存顧客:操作説明マニュアル、Q&A、管理画面などが必要である
と、考えられますね。すると、顧客にとっての価値あるコンテンツは何かが、整理しやすくなると思います。
潜在顧客には、たくさんの人に見てもらいファンになってもらえるような、Heroコンテンツ
見込み顧客には、共感を呼んで何度も読みたくなるようなHubコンテンツ
既存顧客には、すでに購入した商品に対するHelpコンテンツ
これらを提供できれば、それぞれの顧客のエンゲージメントが高まるというワケです。
3H戦略を使うことで、仮説に基づくコンテンツ配信と実証ができます。数字の裏付けには、GoogleAnalyticsを使いましょう。仮説が外れていたなら何故なのかを分析して、コンテンツの軌道修正をしていきます。
鳥居さんのメディア戦略の中でもっとも大切なのは、個人で手に入れられるツールや本を上手に活用していることだと感じました。私たちはいま、誰もが価値ある情報を発信できる時代に生きているのですね。価値ある情報はマネタイズできます。つまり、情報発信によって個人が食べていくことも可能だということです。
また、「磐田や豊橋などを含めると、さまざまな情報に恵まれている浜松は、ブログを書くには最高の土地!」だそうですよ。浜松でメディアやブログを始めたい/運営している方にとって、とても有益なお話でした。
メディアコンサルタントが共有するオススメWebツール 市川 裕康 さん
メディアコンサルタントとして、デジタルメディア活用に関するコンサルティングを行っている市川さん。海外のビジネストレンドに詳しく、官公庁でのお仕事実績もお持ちです。「Webツールを使うことで、メディア運営にかかる労力を削減できます。ソーシャルメディアやブログをどうやって書くかを学べる場を、浜松にも作れたらと思いました」。
そんな市川さんより、ブロガーや個人メディア向け、オススメWebツールを紹介いただきました。
ブログを書く場としてオススメ、note(ノート)
1,000万人以上が利用している、いま注目のクリエイタープラットフォーム「note」。写真や音楽、文章などの作品(ノート)を、無料でも値段をつけても掲載・販売できるサービスです。noteへの掲載は、無料でできて広告表示もありません。ブログのような要素があるので、ノートを掲載した人のミッションが共感されやすいという特徴があります。法人利用も伸びているそうです。
面倒なSNS投稿をまとめて予約できるBuffer(バッファー)
Bufferは、SNS(Twitter、Facebook、Instagram、Linkedin、Google₊)の予約投稿サービスです。投稿日時を指定できるので、読者に読まれやすい時間を狙って記事の拡散ができます。本当に便利なツールですが、サイトは英語表記です。Webマーケティングメディアのferretさんが、Bufferの使い方をまとめてくれたページがあったので貼っておきます。
メールの自動配信サービスBenchmark(ベンチマーク)
「SNSでリーチできない人たちにも情報を届けたいときに便利です。手軽かつトラッキングもできるサービス」と紹介されたのが、Benchmarkです。メール配信が無料(期限なし)で、毎月250通の配信が可能。顧客管理やリアルタイム効果測定などの機能が多数あり、メールの文面もデザイン・カスタマイズできます。効果的なメールマーケティングを実現してくれるツールです。
グラフィックデザインを無料で簡単作成、Camva(キャンバ)
ブログを書くときに重要となる、画像やデザインを簡単に作れるサービスです。SNSに合わせて画像をリサイズしてくれるそうです。プレゼンテーションやチラシ、ポスターまで簡単に作ることができ、著作権フリーの画像(ライブラリ)も豊富だそうです。
ほかにも、データの分析ツールとしてTwitterが使えるお話や、情報収集のコツなど、タメになる内容がてんこ盛りでした!
最後に、「こうしたツールを使うことで、毎日の時間が少し節約できるかもしれませんよね。“秘伝のタレ”といいますか、自分だけが知っているツールを、参加者の皆さんもお持ちかもしれません。それをぜひ、このサロンでシェアしていただけたら嬉しいです」と、市川さんよりコメントがありました。
浜松のデジタルメディア界隈を盛り上げていきたいという思いで始まった「Anyデジタルメディアサロン」。会の終了後は、参加者同士の交流も盛り上がっていました。「Anyデジタルメディアサロン」は、8月以降も開催予定とのこと。浜松エリアのライター・フリーランス・広報担当者さんは、一度、参加してみてはいかがでしょうか?
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