浜松の新たな観光スタイル!世界を知り自己を知る旅『VISION QUEST(ヴィジョンクエスト)』へ
虫の鳴き声を‟虫の声”として聴きとれるのは、世界でも日本人とポリネシア人だけだといいます。それほどまでに豊かな感性を持ちながら、私たちは日常で自分の感覚をどれほどシャットダウンしているでしょうか。
耳につくニュース、脳にビビッドな公告、密な職場、顔色をうかがうコミュニケーション……いつしか「閉じる」ことを覚えた私たちは、自分自身の心もどこかに置き忘れてしまったみたい。
ときには静かな歴史に耳を傾け、ありのままの自然に身を置いて。自分自身と向き合う時間も必要かもしれません。
そんな風にまさに自らを知る旅「VISION QUEST(ヴィジョンクエスト)」が浜松で初開催されると聞き、お出かけしてきました。
VISION QUEST(ヴィジョンクエスト)とは?
「自分を見つめ、自分と向き合う」がテーマのKENSHUの旅。朝はゆったり10:30に浜松駅で集合し、バスで結婚式場で有名な「ジ・オリエンタルテラス 鳥善」さんへ伺います。
美しい佐鳴湖が前面に映えるロケーション。そこで私たちを非日常の世界へと導いてくださるのは、マインドフルネストレーナーの松元 絢さんです。
呼吸を意識して、味わう、感じる。松元先生ご指導のもとマインドフルネスを体験したあと、ランチコースをいただきます。体にやさしい地元の食材たち。全身でイノチをいただいているような感覚になり、いつにも増しておいしく感じられました。感覚を研ぎ澄ませるって、不思議です。
午後は、またバスに乗り、北区のいなさ方面へ。臨済宗方広寺派の大本山である奥山方広寺へ向かいます。
方広寺さんでは、1時間の座禅体験をさせていただけるとのこと。上の写真にある本堂に至近の駐車場まで車で向かうこともできますが、VISION QUESTでは、境内の入り口にたたずむ黒門から哲学の道をゆっくり歩いて、心を整えていきました。
昨晩降った雪が、うっすらと残る1月の末。凛としずやかな心の道を、一歩いっぽ噛みしめてゆきます。さぁ、本堂へ到着しました。
上着も靴下も脱いで、背筋を正して畳に座り、1時間の座禅体験です。意識を「今、ここ」へ集中する……のですが、これがとっても難しいのです。
今日の夕飯どうしよう。あの人のLINEに返信しなくちゃ。いま、何分経ったかな。
いろんな雑念が思い浮かんできます。「今、ここ」。つまり、仏教の世界でいうところの「空(くう)」の世界を体現するには、私はまだまだ修行が足りません。またリベンジしたい。
それでも時間があっという間に感じるほど、自分の奥底と向き合うスペシャルな体験になりました。観光バスで移動するので、車内の交流もとっても楽しいです。
自分の感覚を信じて、いつでも「今、ここ」の自分に戻ろう。過去を悔やまず、未来を恐れず。今、自分がやるべきことに専念する。それが人生を歩むということかもしれません。
そんなエッセンスを知られた「KENSHU」の旅でした。
家康公のまちづくりに見る平和な世の中の築き方「SHUGAKU」の旅
2月11日(土・祝)には、浜松市に今も残る徳川家康公ゆかりの史跡を巡るまち歩きツアー「SHUGAKU」へ出かけてきました。「400年かけて神格化していった徳川家康から学ぶ、まちと人生のブランディング」と題して、家康公のまちづくりや史跡などを学びます。
「SHUGAKU」の由来は、大人の修学旅行ならぬ“酒学旅行”から来ているそう。ツアーのあとは、肴町・遊楽街へくり出し、古き良きお店で一興を楽しめる旅となっています。
歴史探訪の講師は、浜松市創造都市・文化財課の鈴木一有さん。家康を中心とした地域の歴史を研究し、市民や子ども向けの歴史講座をライフワークとしていらっしゃるそうです。
(写真:鈴木一有さん。史料にもとづき詳しくも面白い歴史を教えてくださいました)
長い歴史のなか。戦火や災害に倒れても、人々の手によって再建されてきた史跡があります。浜松城をはじめ、家康公が鎧を掛けたと伝えられる松の木など。それらが浜松のアイデンティティであるからこそ、失ってはいけないと守ってきてくれた人々がいます。
みんなで家康公の散歩道をたどります。この看板を見かけたら、ぜひQRコード®を読み取ってみてください。そのスポットの説明を動画で視聴できます。
連尺の交差点には、大手門(浜松城の正面入り口)があったそう。きっとこの付近の守りは鉄壁だったのでしょうね。浜松城の敷地がかなり広いことがわかります。
家康公が区画整理を行ったそのままに街並みが残り、お堀の跡なども裏路地となりにぎわいをもたらしています。土曜日の昼下がりを楽しむ人々の姿に、当時を生きた人々の姿が重なって見えるようでした。
当時に想いを馳せて眺める浜松城。参加者自身もアイデンティティを呼び起こされるようです。家康公とゆかりの深い「五社神社・諏訪神社」、そして、1928年に浜松警察署庁舎として建てられ現存する「鴨江アートセンター」を訪問します。
さぁ、夕暮れ時が近づいてきました。最後は、昭和の香りただよう「かちどきビリヤード」さんでアウトプットのひとときを。当時の地図を原寸大で再現したタペストリーを見ながら、今日の学びについて意見を交わします。
守りの要所や家来の配置など、地図を読みながら家康公の戦略を想像するのも、また一興。千歳の街並みも当時からほぼ変わっていないことが斬新でした。浜松の街並みが、この先も長く平和に続きますように……。
今、私たちが平和に暮らしていられるのも、歴史を守ってくださる皆さんのお陰がありますね。街のルーツを知ることは、この先の何百年を紡ぐのに重要なことかもしれません。
そんなエッセンスを知られた「SHUGAKU」の旅でした。
VISION QUEST(ヴィジョンクエスト)のスケジュール
「KENSHU」
10:30 浜松駅東側(アクトシティ南)集合
10:45 出発
11:00 ジ・オリエンタルテラス
11:30 ランチ・トークセッション
13:00 ランチ・トークセッション終了・移動
14:20 奥山ポケットパーク到着。哲学の道散策(徒歩)
15:00 方広寺・座禅体験
16:15 座禅体験終了・移動
17:10 浜松城公園
17:40 東照宮お参り(自由解散)
「SHUGAKU」
15:00 浜松城公園 集合・家康を巡るまち歩きツアー
17:00 歴史地図ワークショップ(かちどきビリヤード)
18:00 グループに別れて呑み歩き(グループごとに自由解散)
「VISION QUEST(ヴィジョンクエスト)」は、次回の開催に向けて準備中とのこと。いつになるかな、どんなツアーが企画されるかな。季節の移り変わりとともに、楽しみに待ちたいと思います。
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