音楽が奏でる天竜の風景と伝統文化「龍の水辺芸術祭2021」の開催レポート
2021年8月22日(日)、天竜の風景と伝統文化を音楽で奏でる「龍の水辺芸術祭2021」がオンライン開催されました。地元ゆかりの音楽団や和太鼓チームなどによる多彩なプログラムが展開。音楽を通じて天竜の四季が感じられる素晴らしいイベントでしたので、当日の様子をお伝えしたいと思います。
龍の水辺芸術祭とは?
天竜川流域の四季の風景の発信および伝統文化・芸術・歴史継承を目的として、2021年に発足されたイベントです。「四季の自然×音」をテーマに活動する「天竜四季の森 音楽団」と、天竜区佐久間町を起点とする若者コミュニティ「佐久間若者サミット」により主催されています。2022年以降も、天竜区内の各地で継続的に開催される予定です。
龍の水辺芸術祭 2021の全編は、以下のYouTubeからご覧いただけます。
龍の水辺芸術祭スケジュール
13:00 開演
13:05 さくま飛龍太鼓、ドラゴンアーティスト國分夢志ライブペイント
13:35 天竜川流域 郷土紹介|浜松山里いきいき応援隊
14:00 天竜四季の音コンサート[第1部]|天竜四季の森音楽団
14:40 休憩
15:00 天竜四季の音コンサート[第2部]|天竜四季の森音楽団
15:45 閉演
さくま飛龍太鼓と龍画家の力強いコラボレーション
「そーれ!」という掛け声とともに会場に響き渡る和太鼓の音色。和太鼓チーム「さくま飛龍太鼓」による演奏でプログラムが幕を開けました。
町おこし、自分おこしという名目で発足した「さくま飛龍太鼓」は、子ども16名と大人5名で構成されています。チーム編成を変えながら、『仲良し太鼓』『祭り』『龍神の舞』『山河太鼓』『隆盛』の5曲を演奏しました。
技術は、岐阜県関市から孫六太鼓の当主関刀鼓氏から学んだとのこと。曲も佐久間町にちなんで作曲されたものだそうです。リズムの合間に一回転をしたり、自分の太鼓と隣の太鼓を行ったり来たり。アクロバティックな演奏に胸が高鳴ります!
『山河太鼓』『流星』の演奏中には、ドラゴンアーティストの國分夢志(こくぶん・ゆめじ)さんが、龍画のライブペイントを行いました。
演奏が終わるまでの約11分30秒の間に、金色の龍を描き切ります。太鼓の音色を聞きながら國分さんの頭に浮かんできたという「伝承」の字が入ると、見事なドラゴンアートが完成しました。
天竜川の移りゆく四季を音楽とものがたりで巧みに表現、天竜四季の音コンサート
小さなころに通った学校や、家族や友だちと遊んだキャンプ場。人口が減るにつれて、今ではなくなってしまった天竜の光景もあるそうです。
天竜の思い出を音楽に残すことで、その豊かさがこの先の人々にも引き継がれますように。そんな想いを込めて作曲された珠玉の名作たちが披露されました。
各楽曲の詳細と見どころをお伝えしたいと思います。
※楽曲名の横にある数字は、YouTubeでご覧いただいたときの演奏開始時刻の目安です。
『オープニング』 00:54:25~
オープニング楽曲からは、天竜川を駆け抜ける水や風の流れを感じました。歌声が主旋律を奏でて降りそそぎ、フルート、バイオリンが後を追いかけます。爽やかで美しいメロディーに、一瞬で心が掴まれる一曲。
『いのちの ふね』 1:10:56~
『いのちの ふね(鈴木 まもる 著、講談社)』という絵本の朗読音楽です。木の温もりを感じるマリンバの響きに、絵本の柔らかい画風がピッタリな楽曲。音読によるストーリーの展開とともに、絵本の世界観を楽しんでください。
『ひみつのともだち』 1:54:38~
「ほら、聞こえてくるよ。風の足音が」という歌い出しが可愛らしい、希望に満ちあふれた楽曲です。
2016年、奥龍山にキャンプ場の「秘密村」が再オープンした記念に作曲したそうです。「手を取って歩きだそう」「夢の地図、どこへゆく」。子どものころに感じた森に入るワクワクやドキドキ、なつかしい気持ちを、龍山の豊かな森の風景に重ね合わせて表現しました。
『組曲 天竜 四季の音』 2:01:41~
▲天竜 四季の森 公式YouTubeより引用
天竜の春から早春までを表現した組曲です。『桜』『蛍』『風薫る』『陽だまり』『六花』『みどりのうた』の6つの楽曲で構成されます。
桜が咲き誇りやがて散ると、水辺にホタルが舞いはじめます。緑がいっそう濃くなって、暑い風が通り過ぎたと思えば、山のモミジが赤く色づくころへ。山のてっぺんが白くなれば、町にも粉雪が舞い降ります。凍てつく寒さを通り越すと、雪の下からフキノトウが顔を出す。
そんなふるさとの四季を表現した壮大な楽曲となっています。ときおり聞こえる樹々の揺れる音や鳥の声も、ぜんぶ楽器が奏でる音楽の一部。天竜の季節の移り変わりを、ぜひ全身で感じてみてください。
『大河のひかり』 2:33:39~
天竜川に生きる人々の想いや情熱を「光」になぞらえ、その輝きを表現しました。ピアノの旋律に乗せてソプラノが響きわたり、キラキラと美しい曲です。
ずっと昔からこの水辺に生き、命や想いを繋いできてくれた人たちのお陰で、私も龍山に生まれ育ちました。みなさんから受け継いだこの『光』を、この先も引き継いでいきたいという願いを楽曲にこめています
そのように語るのは、作・編曲を担当した音楽団代表の鈴木のぞみさん。
天竜川は上流から遠州灘の大海に向かって豊かに流れています。その流域で今を生きる私たちも、先人たちの「光」を受け継いでいるかもしれません。天竜川のきらめきが、きっとあなたにも感じられますように。
編集後記|
天竜の自然や伝統について知りたい、と思いながらも身近に触れるきっかけを掴めずにいました。そんな中で今回のイベントは、天竜の四季の豊かさだけでなく、天竜川の恩恵を受けて生きる人々同士のつながりに気付かせていただく貴重な機会となりました。
またこの日のために、何百時間、何千時間もの練習・準備を重ねてきたアーティストみなさんの努力を思うと、リスペクトの気持ちが湧き出て止みません。実際に楽曲を視聴いただくと、関わるみなさんの想いが伝わってきて、感動すること間違いなし!
浜松は日本で2番目に広い市です。だからこそ、私たちの中に息づく『光』を通じてみんなの心が繋がっていけるといいな、と思いました。
龍の水辺芸術祭に関するお知らせ
龍の水辺芸術祭2021は、新型コロナウイルス感染拡大の影響でやむなく現地開催からオンライン配信に変更となりました。視聴にあたりお気持ちで心付けを受付けていらっしゃいます。頂ける方のみ下記にお振込みをお願いします。
<お振込み先>
ゆうちょ銀行 二三八 店 口座番号 6235146 テンリュウシキノモリ
2022年の開催に向けて、「龍の水辺芸術祭」のYouTubeチャンネルもオープン!動画も順次アップされていくので、チャンネル登録してお待ちください。
龍の水辺芸術祭2021出演者情報
※紹介文は「龍の水辺芸術祭2021公式サイト」より引用
天竜 四季の森 音楽団
公式Webサイト:https://www.tenryu-symphony.com/
天竜四季の森音楽団は、「四季の自然×音」をテーマに活動する音楽団体です。移りゆく天竜の景色から生み出された "組曲天竜四季の音" ・天竜川に紡がれてきた光のものがたりを
描いた"大河のひかり" 等の楽曲をもって、場所・環境ごとに編成を変えて演奏します。
さくま飛龍太鼓
町おこし、自分おこしという名目で発足、指導には岐阜県関市から 孫六太鼓当主関刀鼓氏が出張指導、佐久間に地なんだものが作曲されている。現在は子供も16名、大人5名で構成。大人もメンバー随時募集中、毎週水曜日18時半~21時です。興味のある方は、見学にお越しください。
國分夢志/DragonArtist
公式Webサイト:https://yumeshi.jp
静岡生まれ、岐阜育ち。24歳の時に詩人として日本を一周、その後世界へ。
秘境での自給自足生活やインディアンとの共同生活、メキシコ横断4,000kmヒッチハイク等の経験をしながら感性と技術を磨く。 2014年、龍を描くことで世界を繋ぐDragonArtistを志す。 世界中で著名人を含む約30,000人に詩・画を書き下ろし、メディアにも多数出演。ライブペイントや他ジャンルとのコラボレーション、講演活動にも精力的に取り組んでいる。
浜松山里いきいき応援隊(天竜川流域 郷土紹介 )
浜松市ホームページ:https://www.city.hamamatsu.shizuoka.jp/shiminkyodo/tyusankan/yamazatoikiikiouentai.html
「浜松山里いきいき応援隊(通称、山いき隊)」は、浜松市の緑豊かな山間部に移住・Uターンし、日々 地域の人たちと協力しながら地域の魅力向上、活性化につなげる活動をしている地域おこし協力隊です。天竜・春野・龍山・佐久間・水窪・引佐の6つの地域の隊員より、各地域の土地・伝統・文化などについて、思い思いにご紹介します。
主催・協力
■主催
天竜四季の森 × 佐久間若者サミット
■協賛
NPO法人ほっと龍山・株式会社ソミックグループホールディングス・株式会社ヤタロー
■後援
浜松市・公益財団法人 浜松市文化振興財団・天竜区観光協会・天竜川とともに生きる文化伝承事業・静岡新聞社/静岡放送
■ステージ協力
有限会社 入政建築・遠州綿紬 ぬくもり工房・遠州縞プロジェクト
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